【歯科医師がわかりやすく解説 !】歯垢と歯石の違いとは?
歯磨き粉のCMなどで耳にする「歯垢」と「歯石」ですが、両者の違いについてよく分からない方も多いのではないでしょうか。
歯垢と歯石は、どちらも歯に付着する汚れのことですが、実は明確な違いがあるのです。
ここでは、歯垢と歯石はどのように違うのか詳しくご紹介します。
◆歯垢とは
歯垢とは、歯の表面に付着するネバネバした細菌のかたまりのことで、別名「プラーク」とも呼ばれています。
歯垢はまだ柔らかく、歯磨きやフロスで落とすことが可能です。
しかし、歯垢を放っておくと石灰化して固くなってしまい、やがて歯磨きでは取れない「歯石」へと変化してしまいます。
口の中には元々たくさんの細菌が住み着いていますが、歯垢はこの細菌を栄養にしてどんどん増殖し、やがて虫歯の原因となる「酸」を放出するのです。
歯垢に含まれる細菌は1gあたりおよそ1億個、食後4〜8時間ほどで作られてしまうため、食後の歯磨きがとても大切です。
◆歯石とは
歯石とは、石のように固く白っぽいかたまりです。
歯垢と唾液に含まれるリン酸カルシウムなどが結びつき、2〜3日かけて石灰化して歯石へと変化していきます。
歯石はパッと見ただけでは判断できないことも多いのですが、「歯磨き後も歯の表面がざらついている」「フロスを通した時段差に引っかかる」などの違和感がある場合には、歯石がついている可能性が高いです。
◆歯垢はどこにつきやすいのか
歯垢が特につきやすいのは、次のような場所です。
・歯と歯の間
・奥歯の噛み合わせの溝
・歯と歯茎の境目
・抜けた歯の周り
・歯と歯が重なっている部分
上記のような場所は、実は磨き残しの多い場所でもあります。
ネバネバした歯垢は、うがいだけで落とすことはできません。
そのため、隅々まで歯磨きやフロスを併用して落とすことが大切です。
◆歯石はどこにつきやすいのか
歯石のつきやすい場所は、唾液腺が開いている場所の近くです。
具体的には、「下の前歯の裏側」や「上の奥歯の外側」などに付着しやすくなっています。
歯石がついたままにしておくと、歯肉炎や歯周病、口臭の原因となってしまうため、早めのケアが大切です。
◆つかないようにするためには?
歯石は歯垢が石灰化したもので、歯石になってしまうと歯磨きやフロスで落とすことはできません。
そのため、歯石を落としたいなら歯科医院で歯石除去をしてもらいましょう。
歯石除去の基本的な流れは、以下の通りです。
1.超音波スケーラーで全体的に歯石を除去する
2.ハンドスケーラーで細かい部分(歯と歯の間・歯と歯茎の境目)の歯石を取り除く
歯石が大量についている場合、麻酔を用いた「ルートプレーニング」という治療を行うこともあります。
近年、ネットショップなどで歯石除去ができる器具が販売されていますが、自分での除去は歯茎を傷つけるリスクが高いためおすすめできません。
歯石除去を希望する場合、歯科医院を受診するようにしましょう。
◆歯科治療についてお悩みがあれば村上歯科医院へ
歯垢と歯石の違いについて詳しくご紹介しました。
歯垢や歯石を防ぐためには、日頃のセルフケアがとても大切です。
歯石は歯科医院で落としてもらえますが、その後も定期的なクリーニングとセルフケアを欠かさないようにしましょう。
歯科治療についてお悩みがあれば村上歯科医院へご相談ください。